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zoom RSS 1.5Vで白色LEDを点滅する――CMOSチャージポンプ

<<   作成日時 : 2011/05/21 08:53   >>

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CMOSロジックICが1.5V程度でも動作するらしいと分かったので、
今回は昇圧して白色LEDを点滅させるチャージポンプに挑戦してみました。

画像:基板・部品面  画像:基板・銅箔面


■ 回路図



            │ │                    VDD
+――――――――●――│ │―――+            ―●― 1.5V
│        │  │ │   │       C2    │ 
│     R1 そ        |       220μ  そ R2
│   4.7M そ C1 0.1μ│             そ 3.3k
│        そ        │          +  そ 
│  │\    |   │\   │ │\    │/│   │ 
+――│ >○――●――○│ >――●―│ >○――│/│―――● 
   │/    │   │/     │/    │/│   │ 
         │                      そ R4
6回路入り    │                      そ 20Ω
インバータ    │                      そ 
74HCU04  │                      │ 
         │                 LED ―――
 VDD:14  │                 白色  \ / →
 GND:7   │                     ――― →
         │                      │ 
         │           │\   │/│   │ 
         +――――――――――○│ >――│/│―――● 
                     │/   │/│   │ 
―●―  未使用インバータ            +      そ R3
 │                        C3    そ 3.3k
 | │\       │\            220μ  そ 
 +―│ >○―  +―│ >○―               │ 
   │/     | │/                 ―――
          |                    ///
         ―――
         ///


■ 動作のしくみ



                           +――――●――+
                           │    │  │
                       C2 ―――+  そ  │ R2
                                そ  │
 充電時                      ―――−  そ  │
                           │    │  │
    ―●―         ―●―(H) (H)―●―  ―●― │
     │           │                 |
  R2 そ          ――― C3             │ 
     そ       ↑↑                    そ 
     そ  R4      ―――        放電時     そ R4
     │      |\|  │                 そ 
  (A)●――WWW―| |――●(B)              │ 
     │      |/|  │            LED ―――
 C2 ―――          そ R3             \ / →
            LED  そ                ――― →
    ―――          そ                 │ 
     │           │        ///  /// │ 
 (L)―――         ―――    (L)―――  ――― | 
    ///         ///        │    │  │
                       C3 ―――+  そ  │ R3
                                そ  │
                          ―――−  そ  │
                           │    │  │
                           +――――●――+

回路はHS−CMOSロジックICを使用して、
インバータ2個でマルチバイブレータを構成し、3倍チャージポンプを駆動しています。

電圧(電位)の高低によって出力回路を書き直すと上のようになります。
左は充電時、右は放電時のようすです。

まず充電時には、左図のように
インバータからハイレベル(H)とローレベル(L)が出力されます。
(H)はほぼ電源電圧(VDD)、(L)はほぼGNDになりますので、
電荷が空のコンデンサC2、C3が充電されていきます。
はじめはLEDのカソード側の電圧が高いので、LEDに電流は流れません。

充電が半分以上すすむと、LEDのアノード側の電圧が高くなりますが、
アノード〜カソード間順方向電圧(VF)が低いため、
LEDには微小な電流しか流れません。
同型LEDではたとえば3μA流すためには約2.3VのVFが必要でした。

マルチバイブレータの出力によってインバータの出力が反転すると、
C2へ(H)、C3へ(L)が出力されますが、C2、C3には電荷があるため、
右図のようにLEDのアノード側にはVDDより高い電圧が、
カソード側にはGNDより低い電圧がかかり、
十分な順電圧VFを得てLEDが発光します。

C2、C3の電荷が減ってVFが低くなると、
LEDを流れる電流(IF)は急激に小さくなって点灯しなくなり、
C2、C3はそれぞれR2、R3で放電されるようになります。

その後マルチバイブレータによりインバータの出力が反転し、再び充電が始まります。
これを繰り返すことで、白色LEDを点滅させています。

このようにLEDの性質は都合がよいため、少ない部品でうまく動作するわけです。

■ 試作器の動作


乾電池1本(1.5V)をつなぐと、約0.9秒周期でLEDが点滅します。
電源電圧が約1.25Vまで低下しても点滅動作しました。

電源電流は周期的に変化しますが、最大0.5mAくらいのようです。
手元にテスターしかないため、詳しいことはわかりません。

■ 部品の定数について


鋭い方は気づかれたかもしれませんが、この定数ではC2、C3がフル充電されません。
C2・R2の時定数は約0.7秒ですが、マルチバイブレータの周期は約0.9秒、
充電時間はその約半分ですから、コンデンサは半分くらいしか充電されていません。

回路は3倍チャージポンプですが、じつは2倍弱しか昇圧していないことになります。
ただし周期の短縮には役立っています。

それでも点滅するのは、このLEDが2.5Vくらいで点灯するためのようです
(実際、同型LEDをトランジスタ式2倍チャージポンプで点滅させたこともある)。
実験的に部品の定数を決めたため、このようになっています。

LEDの種類によって、部品の定数はいろいろ変更が必要でしょう。

R4はLEDの電流制限用です。

R2、R3は充電時と放電時の電流制限用です。
小さくすると充電が早くなりますが、
インバータの出力電流を考慮して決めます。

C2、C3はもちろん充電用で、この回路の主役ともいえます。
R2、R3とともにCR時定数が決まりますので、
これを元にマルチバイブレータの時定数C1・R1を決めます。
C2、C3をじゅうぶん充電するためには、C1・R1を大きくする必要があります。

ICは、HS−CMOSロジック・6回路入りインバータ74HCU04を使いました。
74HC04を使ってもかまいません。
本来の動作電圧は2〜6Vですが、実験的に1.5V以下で動作させています。

■ 今後の課題


今回の回路ではインバータが2個あまっていますので、並列出力にすることが考えられます。

バッファタイプの74HC4049を使うと出力電流を増やすことができます。

マルチバイブレータのデューティ比は通常約1:1ですが、
放電期間のうちLEDが点灯する時間は少しだけで、
あとは待ち時間になってしまうため、効率がよくありません。
放電期間のデューティ比を小さくすることが考えられます。

TTLレベル入力タイプのIC(HCTシリーズ)を使うと
デューティ比が1:2〜3くらいになるので良いかもしれません。
(1.5V以下で動作するのか分かりませんが)

いずれにしても、少ない部品で簡単に昇圧や負電圧発生ができるので、
いろいろ応用できそうだと思います。

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1.5Vで白色LEDを点滅する――CMOSチャージポンプ(2)
――高速点滅で連続点灯に見える改良回路―― ...続きを見る
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内 容 ニックネーム/日時
筆者です。
HCTシリーズの74HCT02(NOR)で実験してみましたが、
電源電圧5V程度ではデューティ比が1:2〜3になるものの、
電源電圧の低下とともにデューティ比1:1に近づき、
1.5Vではほぼ1:1となりました。

残念ながらうまいデューティ比にはなりませんでしたが、
内部がどんな回路になっているのか興味が持たれます。
やねのすずめ
2011/10/24 01:24

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